こんにちは。「旅館・ホテルのネット宿泊予約サポーター」浜田(@chanhamadesu)です。
ただいま、全国各地で楽天トラベルフルリニューアルについての説明会が開催されていますが、まだ内容が届いていない施設さまも多いと思います。
トラベルボイス(@travelvoicejp)さんのインタビュー記事で、その一部が明らかになりましたので、現時点で私が感じていることを「メリットとデメリット」の面で少し書きたいと思います。
※2018年2月5日追記※
文中で手数料に関する説明が間違っていましたので修正いたしました。
楽天トラベルが先ごろ、創業以来初となる予約サイトの全面リニューアルを発表。トラベル事業長の髙野芳行氏と、ライフ&レジャーカンパニーCTOの星野俊介氏にその背景や展望を聞いた。
– https://t.co/FJ7UxtUOs3— トラベルボイス編集部(公式) (@travelvoicejp) 2018年1月29日
要約すると…
1. 会員とマッチングした宿・ホテルが提案される
2. 予約の流れが「客室タイプの選択」→「オプションの選択」になる
3. 「関あじつきプラン」のようなプラン作成が不要になる
4. サイズが大きくてキレイな施設画像が必要になる
5. 手数料が最大約2%UP
6. 民泊物件と一緒に表示される https://t.co/VrjN3z7lyy— 浜田聡♨宿のネット宿泊予約サポーター (@chanhamadesu) 2018年1月30日
今回のリニューアルのキモは、前々から新春カンファレンスやEXPOなどで説明があったように、「AIを活用したマッチング提案」「モバイルファースト」「グローバル化」の3点プラス「一部施設に対する手数料アップ」です。
まず最初に感じたのは「ようやく海外OTAの当たり前が国内OTAにもやってきたな」という印象です。もちろん、その旗手として楽天トラベルにはとても期待しているのですが、その半面、既存の掲載施設さまにとっては負担が増えてしまいます。
フルリニューアルによる掲載施設へのメリット
会員にマッチングした宿・ホテルが提案されるようになる
例えば、楽天市場での買い物の傾向を元にした、楽天トラベルでの最適な宿・ホテルの提案が実現することになります。
これにより、自分の施設に合わないお客さまが予約されることが減るため、悪い口コミを書かれることが少なくなるかもしれません。
これは選ぶ側の感性に左右されるため、ゼロになるということはないと思いますが、自分の施設に合ったお客さまの送客については期待できそうです。
予約の流れが「客室タイプの選択」→「オプションの選択」となり予約されやすくなる
海外OTAに見られる「空室検索→予約完了」までの速さ・使いやすさが実現されることで、途中で予約をやめるということが少なくなるかもしれません。
SNSアカウントでのログインは実現しないと思いますが、スマートフォン向けのアプリも大幅に進化することでしょう。
「関あじ&豊後牛つきプラン」のようなプラン作成が不要になる
国内OTAの特色とも言える、施設独自のプランタイトルやプラン内容を考える時間がなくなり、夕食や朝食などの特徴はオプションの設定で伝えることになります。
次のポイントで記述しますが、画像でのどのように独自性を表現し、宿泊を検討されている方へ訴求するかがとても重要になります。
ただし、これにより楽天トラベルマイスターの宿泊プラン部門やカスタマイズページ部門の表彰もなくなり、カスタマイズページを今回の発表の前後に発注あるいはリニューアルした施設さまにとっては厳しすぎるデメリットも発生します。
フルリニューアルによる掲載施設へのデメリット
サイズが大きくてキレイな施設画像が必要になる
既に海外OTAへ参画している掲載施設さまは問題ありませんが、国内OTAしか取り扱っていなくて、かつ楽天トラベルのシェアが高い掲載施設さまは「必ず」サイズが大きくてキレイな画像を準備する必要があります。
海外OTAでも同様ですが、このことはおそらく掲載順位にも影響が出てくるのではないでしょうか。
【参照画像】https://www.travelvoice.jp/wp-content/uploads/2018/01/104852_06_s30.jpg
システム手数料が最大で約2%1.25%(税抜き)アップする
記事中には
日本語サイトからの予約については、宿泊客の人数に応じて「1名利用」の場合は一律8.64%、「2名以上利用」の場合は9.99%(いずれも消費税・ポイント分込み)の2パターンのみを設定する形式に。
とあります。
ということは、現在Aプランで契約されている掲載施設さまは、2名以上利用の宿泊予約の場合、現在の8%(内、楽天スーパーポイント1%)から9.99%へ変更となり、手数料が約2%9.25%へ変更となり、手数料が約1.25%(いずれも税抜き)アップします。
Aプランの契約施設さまは、じゃらんnetとほぼ同率になるのでこれは痛すぎますね・・・。
また、ユーザーに対しては「最低・同一料金保証」「同一客室数保証」となるため、楽天トラベルへの在庫設定・料金設定がますます厳しくなると言えるでしょう。
民泊物件と一緒に表示される
楽天トラベルにとっては取り扱い施設数が増えるため、ユーザーに対して選択肢を増やせるというメリットがありますが、掲載施設さまにとってはどうでしょうか。
「民泊を目的に訪れたユーザーにも、ホテルや旅館の情報を閲覧する機会を提供することになり、より多くのユーザーが集まるサイトになる」
私は逆に、これまで既存の宿・ホテルを選んでいた楽天トラベルユーザーが民泊物件を選べるようになるため、シェアが分散されるのではないかと思っています(ひいきの宿・ホテルがある方、宿・ホテルで1日中過ごしたいタイプの方には無縁ですが)。
よって、今後は自施設が選ばれるために、独自性をさらに磨き上げていかなければならないでしょう。
最後に
大分では2月21日(水)に説明会が開催されますので、楽天トラベルのご担当者さまから直接お話を聞けるのが楽しみです。
それによってまた少し考えが変わるかもしれませんので、そのときはまたこのブログで考えを書きたいと思います。
コメント
[…] ▶浜田聡 トリサポ「楽天トラベルフルリニューアルによる掲載施設へのメリットとデメリット」http://hmd.geo.jp/archives/5407 […]